嵐の明日
1.風の中の火のように
名前がある人間というものが、実は歌の世界にはいない。農家で家畜と同じじゃねぇか!おかしいじゃねぇか!とリンチがよく起きるが、何か大切にしていたものという尺度は理解されない。嫌い抜いた勢いばかりのバンドだ。アイドルに嫌い抜かれ生きていけないものか?発売当時話題になった。
2.落下する月
美しいメロディラインだ。風や草の波間をたゆたうものは、月や涙か?月明かりに照らし出されるものは?それを愛と述べるなかれ。傾くのは!!!
3.涙のアドレス
赤ん坊を抱きしめた交差点のまん中で立ち尽くしし、引っ越し先を告げず彼女は去っていった。それを愛すると述べるなかれ。嫌い抜いたことは取り繕えない。涙で握りつぶしているものが本当の幸福だ。軽快な音の狭間の雑踏に行き着いてしまった。
4.切ない痙攣
前奏の軽快さと歌い出しにギャップがある。ダンスパーティだっただろうに。主はいつも或いはいつでもあなたの側に。そんな一節が生まれ変わりたいと叫ばせる。悲劇である。
5.影
静けさを湛えた一曲。強さと脆さを歌詞にし、歌いあげることで気持ちよく音に馴染む。気持ちよい音楽というのは、素敵なものだ。
6.月に泣く
田中がボーカルをとることで、サビの甲斐よしひろの歌声が一際際立つ。月明かりのみせる夢を美しいと思うか汚すしかないものだと思うかで、世界は二分された。美しい夢は、永遠には続かない。
7.絶対・愛
憎しみばかりが交接した。獣の愛である。四つ足である。尻尾があるのだ。それを愛と呼ぶなかれ。獣は責任なんかとれないからだ!
8.嵐の愛
美しい曲である。月明かりにかかるのは、流れ落ちる涙なのか?ゆがむ傍からエロに変わった。オセロと呼ばれたが、勝負をする気などない。
9.Fever
ビル影に隠れた星空の似合うあの子。なにゆえ歪ませたエロでのたうちまわるのか?
10.青二才
独特の歌声が、伸びやかに響く。ギターが秀逸。チュルチュチュと軽快に歌うと明るい心持ちになるから不思議だ。
11.桟橋の街
孤独の叫びが、いやせるものはない。駆け抜けていくものが美しい夢であることで続くものを、壊すのもまた駆け抜けていくものである。夜は美しい夢そのものだった。
12.つらら
青白い光と逃げ惑う女。死んだかに見えたが、SMだった。惨事だと思ったが、幸福だと述べられた。